『カンブリア宮殿』 テレ東(月)22:00~
公式HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/index.html
出演者:村上龍、小池栄子、秋元久雄
◆カンブリアFile No.115 平成建設社長・秋元久雄
●『京大・名大・早稲田…エリート大工集合!』
平成建設の本社は富士山を望む沼津市の中心部にある。
20年前に創業した中堅のゼネコンだ。
公共工事より民間の住宅建設で着実に伸びてきた。(平成元年設立 従業員数400人 年商110億円)
現場を支える職人達、その数160人。
平成建設では大工から様々な職人まで正社員として抱えている。
これはゼネコンでは非常に珍しいことだという。
一般的にゼネコンには職人がいない。
受注した仕事に応じて下請け会社に外注し監督業務を行う。
ところが平成建設ではあらゆる職人を育て、工事はほとんど社内で完結する。
職人は全員正社員なのだ。
しかもそのほとんどは大学出のエリートである。
不況の建設業界で快進撃を続ける秋元。
20年前に起業するまでは大手の住宅メーカーで年間10億円を売るやり手営業マンだった。
秋元が建設業界の常識を破り、自前の職人にこだわったのにはわけがある。
それは30年以上前、住宅のセールスで走り回っていた頃、建設現場でこんな光景を目にした…。
訪ねてきたのは家を注文した施主だった。
施主「すいません、ここの窓はいつ付くんでしょうか?」
職人「…」
施主「あの…窓はいつ付くんですかね…?」
職人「なんだ、うるさいな」
なんと、職人は施主と気付かずに立ち去っていった。
施主「うるさいなって、俺はここの施主なんだぞ!誰の家建ててると思ってるんだ!」
普通の建設会社の現場は施主が分からない。
分かっているのは監督や設計士だけだ。
下請けにとっては建設会社が施主で本当の施主は関係ないという顔をしている。
そんなバカな事はない。施主からお金が流れているのに。
自前の職人にこだわる理由がここにあった。
ならば平成建設の現場はどうなのか。
朝8時、まずは近所の掃除から始まる。
ご近所からの工事現場へのクレームで施主に迷惑が掛からないようにという気遣いだ。
建築現場も気持ちのいいほど整理整頓されている。
施主の素朴な疑問にも大工の棟梁は懇切丁寧に説明する。
●『エリート大工の家造り 安さの秘密』
平成建設の技術力。それはショールームを覗けば一目で分かる。
日本の伝統を受け継いだ職人たちの技がそこここに息づいている。
見事な出来栄え。しかし、値段は相場より安いという。
【平成建設の安さの秘密】
○コストダウン対策(1) 「職人はマルチプレイヤー」
足場の組み立て、建設機械の操縦、型枠の取り付けなど本来であればよそから専門の職人を呼んでくる仕事を社員がこなすのだ。
浮くのは人件費だけではない。
社員同士なのでコミュニケーションもスムーズに。これで工期も短縮できる。
○コストダウン対策(2) 「徹底的に使いまわせ」
無駄を徹底的になくすのも平成建設流。
コンクリートを流す際に使った木の型枠。
業者によってはたった一回で捨てるところもあるが、平成建設では全てを回収し、自分達で洗浄。30回も使いまわす。
○コストダウン対策(3) 「総務も経理も職人?」
平成建設の事務部門。
ここの男たちはいざという時には頼りになる連中だという。
その秘密は現場にあった。
鉄筋作業を行っているのは新入社員。配属先を問わず最初は誰もがここで働かされる。
いざ鎌倉となれば全社員が出陣。
平成建設はコスト削減のため皆が汗を流す。
◇株式会社 平成建設⇒http://www.heiseikensetu.co.jp/