『カンブリア宮殿』 テレ東(月)22:00~
公式HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/index.html
出演者:村上龍、小池栄子、住谷栄之資
◆カンブリアFile No.114 キッズシティージャパン社長・住谷栄之資
●『予約殺到!これがキッザニア』
東京・豊洲の巨大なショッピングーモールに「キッザニア」はある。
予約制にも関わらず毎日行列が出来る。
中を覗いてみると、子供に合わせた実物の3分の2の街が広がっている。
キッザニアは子供たちが職業体験をするテーマパークだ。
そのお仕事は、テレビ局・消防士・ハンバーガーショップ・歯医者さんなど。
実に80種以上の仕事が体験できるのだ。
このキッザニアを日本に持ち込んだのが住谷だ。
開業から2年、子供たちの生き生きとした表情を見るのを毎日楽しみにしている。
そんな住谷だが子供ビジネスとは無縁の道を歩んできた。
ロックとハンバーガーが人気の「ハードロックカフェ」やリブステーキの「トニーローマ(TONY ROMA’S)」などアメリカの人気レストランを次々と日本に展開したのが実は住谷なのだ。
話題の店の仕掛け人として業界では知られた存在だった。
60歳を期に第一線を退いた住谷は、二人の孫と一緒に海外旅行に出かけた。
行った先はメキシコ。
そこで子供たちに人気の施設があるというので訪ねてみた。
それが「キッザニア」だった。
キッザニアは、1999年にメキシコの玩具メーカーが始めた、子供が職業体験出来るテーマパーク。
言葉が通じないのに孫たちは食事をするのも忘れて仕事体験に夢中になっていた。
”日本の子供たちにも働く楽しさを知ってもらいたい”
そんな思いが住谷を動かし、日本にキッザニアをオープンさせたのだ。
今や、年間来場者数は90万人以上週末の予約は4ヶ月先までいっぱいだという。
キッザニアでは仕事を体験するごとに給料が貰える。
キッゾ(KIDZO)というここ独自の通貨だが、働いたら報酬が貰えることもしっかり教えるのだ。
このキッゾを使いお店では買い物も出来る。
欲しいものを買うために働いてお金を貯める。こうして子供たちは労働の尊さとお金の大切さを教わっていく。
子供たちが生き生きと働くキッザニア、そこには”ごっこ”を超えた何かがある。
●『一流企業もキッザニアに夢中』
キッザニアを見渡すと一流企業の看板が目に付く。
キッザニアの売り上げは入場料の他に4割のスポンサー収入がある。
現在スポンサーは56社。
キッザニアに協力することは企業にとって大きなメリットがあるという。
キッザニアで一度触れた企業であればその企業の看板、商品、サービスは子供たちの目につくこととなり、普段からその企業を意識するのでいいPRになるというのだ。
少子化の時代、企業は10年先を見据えて子供たちの囲い込みを狙っている。
◇キッザニア東京⇒http://www.kidzania.jp/
キッザニアを軌道に乗せた住谷には、外食産業で働いていた頃の忘れられない思い出がある。
それは店で働くスタッフに声を掛けた時だった。
「どうだい、そろそろ店長でもやってみないか?」
「いえ、お断りします。責任ある仕事はやりたくありません。」
なんと出世を断ってきたのだ。
しかもそんな若者は彼一人ではなかった。
その後働く意力を持たないニートや就職してもすぐに辞めてしまう若者が増加。
今や多くの若者が働く意味を見出せない時代となっている。
その一方で”ごっこ”を超えて働く子供たちが増えている。
●「年商1000万円 社長は小学生」
沖縄・久米島。
この島にある「久米島物産販売」という会社には、なんと小学生の社長がいるという。
彼の名は小学6年の吉田拓郎くんだ。
拓郎くんが目を付けたのはノニという熱帯地方の果物だった。
ノニはビタミンやミネラルが豊富で、島では昔から各家庭で健康食品として利用されていた。
それを商品化しようと提案したのが拓郎くんだ。
家族も賛成し、一家でジュースを製造販売するようになった。
さらに拓郎くんのアイデアでお茶や石鹸という商品も生まれた。
単なる家業のお手伝いではなく、経営にも気を配り、休日には土産物店などを回り、商品を置いてもらうよう交渉する拓郎くん。
家族全員が力を合わせ今や年商1000万円。
立派なビジネスとなった。
◇久米島物産販売⇒http://blog.kumejimanoni.com/
●「”味で勝負”高校生レストラン」
三重県多気町、人口1万人のこの町に週末になると全国からお客がやってくるレストランがある。
その名は「まごの店」。
実は、この店は三重県立相可高校・食物調理科調理クラブの実習施設。
日本で唯一高校生が運営するレストランだ。
調理・接客はもちろん買出しから仕込み会計まで全てを高校生だけで切り盛りしている。
メニューは3種類だけ。値段は全て1200円で1日250食の限定。
地元産の新鮮な食材を使い郷土食にもこだわっている。
実は、相可高校の食物調理科は三重県下の高校で唯一、卒業と同時に調理師免許が取れる。
だからみんな単なる部活じゃない真剣さで取り組んでいる。
営業日は、週末や夏休みなど学校が休みの日だけだが、年間の売り上げは4000万円にも上るという。
ビジネスの要素を取り入れた実習は全国各地の学校にも広まりつつある。
◇まごの店(相可高校食物調理クラブ)⇒http://jr2uat.net/mago/mago.htm