『カンブリア宮殿』 テレ東(月)22:00~
公式HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/index.html
出演者:村上龍、小池栄子
◆「社長の発明スペシャル」
●『発明社長は愛妻家』
【ファンケル創業者 池森賢二 売上高993億円】
池森が発明したのは、防腐剤を一切使わない化粧品。
37歳で脱サラに失敗し大借金を抱えた池森。
一発逆転のきっかけはあるニュースだった。
1970年代、化粧品で肌が荒れたという訴えが続出。
原因は化粧品に入っている防腐剤だった。
”妻が安心して使える化粧品を作ってやりたい”
業界素人の池森が開発に取り組み、遂に防腐剤の入っていない化粧水を完成させた。
腐る前に使い切れるよう小さなビンに入れた。
これが世の女性たちの圧倒的な支持を得る。
妻への愛が大ヒット商品を生んだ。
池森は語る、「発明出来たのは素人だったから」。
●『発明は道に落ちている!?』
【ハードロック工業社長 若林克彦 売上高12億円】
若林が発明したのは、ボルトをとめても絶対に緩まないナット。
絶対に事故を起こせない橋や新幹線、スペースシャトルの発射台などに採用されている。
若林が緩まないナットに取り組み始めたのは半世紀も前のこと。
しかし当時の商品は、工事の強い振動ではさすがに緩んでしまった。
なんとか出来ないものか、若林は悩んだ。
そんなある日、神社を散策していると、あるものが目に留まった。
それは鳥居。
そこに”くさび”があった。
くさびとは古代の建築技術。
隙間に打ち込むことで物と物とを離れにくくする。
しかしナットにくさびを打ち込んでしまうと外す時に困る。
そこで若林はくさびの役割を果たすナットをつけて、上から別のナットで締めた。
こうして絶対に緩まないナットが完成。
神社でのひらめきが実を結んだ。
●『技術+心意気=発明』
【岡野工業代表社員 岡野雅行 売上高6億円】
岡野が発明したのは、「痛くない注射針」。
岡野は、あるメーカーに直径0.2ミリの注射針を作って欲しいと頼まれた。
普通、注射針は1本のパイプを切って作る。
しかし0.2ミリの注射針だと細すぎて薬が出にくいという欠点があった。
薬の流れをよくするには根元が太く、先だけ細い針を作らなければならない。
そこで岡野は1枚の板をプレスで丸めることにした。
職人岡野にしか出来ない発想。
依頼から1年半、岡野は遂に「痛くない注射針」を完成させた。
それは誰も成し得なかった発明品。
岡野は言う。
「この発明は職人の心意気があったからこそ出来たのだ」
●『会社のピンチを救う発明』
【コマツ会長 坂根正弘 売上高2兆2430億円】
坂根が発明したのは、ライバルを引き離す”ダントツ商品”。
2001年、創業以来の大赤字となったコマツ。
どん底の会社をV字回復させたのが当時社長だった坂根。
去年は過去最高益を記録した。
会社のピンチを救ったのは一つのキーワードだった。
キーワードは「ダントツ商品」。
ライバル社が3~5年は真似できない商品を作れと命じた。
ダントツ商品を発明するには「負けるところを決めろ」
《ダントツ商品》
・犠牲にするところを決める
・他社が数年かけても追随できないような差別化
・製造原価は従来機に比べて10%以上低減
●『長~く売る発想術』
【花王会長(出演時)後藤卓也 売上高1兆3185億円】
後藤が発明したのは、売れ続ける洗剤。
1987年、世に初めて登場したコンパクト洗剤のアタック。
発売以来ずっとナンバーワン。
画期的な発明品は実は20回以上も改良を重ねていた。
○「ホームランばかりが発明じゃない」
「イノベーション(革新的な商品を生み出す)!」と叫んでいてイノベーションが出来るんだったらこれほど簡単なことはない。
その都度より良く改良を続けていくことによって10年前を振り返ると思いもよらないイノベーションができている。
地道な改良をやっていくことで新しい知恵が出てきて、ある日突然革新的な仕事になっていく。
いつもホームランを狙うような感覚ではヒットは生まれない。
●『発明社員の育て方』
【樹研工業社長 松浦元男 売上高30億円】
発明したのは、世界一小さい歯車。
実はこれを作ったのは社長の松浦ではない。
松浦は社員の河合に100万分の5グラムの歯車を作れと命じた。
しかし河合は100万分の1グラムに拘り、それを松浦に申し出た。
100万分の1グラムにすることで数千万円の設備投資がかかってしまうため松浦は当初反対したが、河合と話し合った末、OKを出す。
そして河合は100万分の1グラムの歯車を完成させた。
この歯車のウワサを聞きつけて世界中から客が殺到。
結果、大儲けとなった。
○「社員の発明は”節約”と”太っ腹”で引き出せ」
一番大事なことは社員にチャンスを作ってやるということ。
だがチャンスを作るのにはお金もいる。
そのため、社長たるものは個人的に節約をしてチャンスが来たらパッと資金を用意してやれるように平素から準備しておかなければいけない。
●『ホームレスだからひらめいた!』
【生活創庫社長 堀之内九一郎 売上高120億円】
様々な事業を興しては失敗していた堀之内。36歳の時、妻子をおいて夜逃げ。
とうとうホームレスになってしまった。
日銭稼ぎで運転代行のアルバイトをしていた堀之内は、ある日、道端に捨てられていた石油ストーブを目にした。
「壊れてはいるけど直せばまだまだ使えるじゃないか」
持ち帰って修理すると簡単に直った。
「生活費の足しに出来ないか…」そう思い、リサイクルショップに持っていくと、店のおやじは言った。
「これなら3000円で買うよ」
”ゴミは金になる!”
堀之内はひらめいた。
そして堀之内が始めた生活創庫。商品は全てリサイクル品である。
●『山村だからひらめいた!』
【いろどり代表取締役 横石知二 売上高2億6000万円】
横石が発見したのは、「葉っぱ」を売るというビジネス。
このユニークなアイデアを思いついたのは、大阪に市場へ出張した帰り、農協の職員と立ち寄った寿司屋での事だった。
ふと、斜め前のテーブルで食事をする若い女性客の声が耳に入って来た。
「これかわいい、キレイね」「持って帰ろうよ」
彼女たちが話題にしていたのは料理に添えられていた紅葉したもみじの葉っぱだった。
横石は目を疑った。
「あんな葉っぱがキレイ?上勝町ならいくらでもあるのに…」
新しいビジネスを思いついた瞬間だった。
「葉っぱを売ればいいんだ!」
横石が始めた葉っぱビジネス。今は日本全国に320種類もの葉っぱを販売している。
得意先は高級料亭。日本料理には欠かせない「つま物」に使われている。
いろどりのシェアは8割にも上る。
横石がもう一つ発見したもの、それは老人パワー。
過疎に悩む上勝町。
毎朝、山に葉っぱを取りにいくのは平均年齢70歳のおばあちゃんたち。
おばあちゃんたちはパソコンを扱い、市場動向に目を光らせる。
中には葉っぱビジネスで儲けて家を建てたおばあちゃんもいるのだ。
●『「激安」がビジネスモデルだ』
【ヤマダ電機会長 山田昇 売上高1兆7678億円】
山田が発明したのは「激安チラシ」。
9月に渋谷に進出したヤマダ電機。
ノートパソコンは10万円を切り、液晶テレビはなんと6万円代。
圧倒的な安さでライバルを大きく引き離すヤマダ電機。
90年代に繰り広げられた家電量販店の激安戦争。
山田は客を呼ぶためにチラシの内容にとことん拘った。
巨大企業になった今も会長自らチラシの製作には口を出す。
そのノウハウは最高機密である。
●【日本理化学工業会長 大山泰弘】
「キットパス」は平らな面ならどこにでも描けて、濡れ雑巾で消せる優れもの。
日本理化学工業が昔から作っていたのは学校で使うチョーク。
シェアは30%のトップ企業だ。しかし今、少子化でチョークの売り上げはジリ貧。
日本理化学工業では家庭やオフィスなど学校以外でも売れる商品がなんとしても欲しかった。
その期待をこのキットパスが担う。
実はこの工場にはある特徴が。
現場を支える従業員の7割が知的障害者なのだ。
知的障害者が働ける職場は日本にまだまだ少ない中、ここでは勤続40年以上の者もいる。
「障害者の仕事を守る」この発明は人を幸せにする。