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『カンブリア宮殿』 9月29日

カンブリア宮殿』 テレ東(月)22:00~
公式HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/index.html
出演者:村上龍、松丸友紀、山田昇
◆カンブリアFile No.117 ヤマダ電機会長・山田昇
群馬県前橋市郊外の国道沿いにひっそりと建つ古い商店の跡。
実はこれこそ山田が35年前に開いた電気店である。
一兆円企業の第一歩。
しかし、この創業以前から山田の驚くべき挑戦は始まっていた。
 時は1960年代後半、新三種の神器がもてはやされ、家電業界は活況に沸いていた。
その頃、電気店を開く前の山田は、近くのテレビ工場で家電メーカー(日本ビクター)の社員として働いていた。
そこで山田は、培った修理技術を活かし、密かに電気店での独立を目論む。
そして、驚くべき隠密行動に出る。
”もし電気店を開いたら本当に成功できるのか”
山田は休みの日ごとに近隣の家々を回り、家族構成から職業、年収、家電のニーズまで虱潰しに調査した。
その数、2万世帯。
山田の徹底的な事前調査が実を結び、なんと開店した時には既に300件もの得意先が誕生していたという。
このわずか8坪の店が後に日本の家電ビジネスに革命を起こす。
●『日本”家電戦争”史 ヤマダ電機 勝利の原点
様々な業種が激しい攻防を繰り返した日本の小売業。
長年、王者として君臨した百貨店「三越」は、たった一人の男に追い落とされる。
その価格破壊で王者となったダイエーが初めて売り上げ1兆円を突破した頃、家電量販の世界にも激変が起きていた。
80年代初頭、地方のつわもの達が勢力を拡大し始める。
九州に「ベスト電器」、広島には「ダイイチ(デオデオ)」、大阪は「上新電機」、名古屋には「栄電社(エイデン)」、関東では「ヨドバシカメラ」と「野島電気商会」。
彼らの多くは元々メーカー系列の地域の電気店。特定のメーカーの商品だけを扱う業態だった。
しかし、勢力を拡大する中、メーカーの系列店をやめ、「混売店」と言われるどのメーカーの商品でも扱う業態へと転換。
品揃えの豊富さと、何よりメーカーの価格に縛られない低価格で勝って行った。
 一方、群馬のヤマダ電機は、その頃ある悩みを抱えていた。
未だメーカーの地域店だった山田は、顧客を増やし3つの店を持つまでになっていた。
ところがある時、自らが外回りをしなければならない訪問販売のスタイルに限界を感じる。
自分一人の能力で売る以上、もはや店舗拡大は無理…。
遂に店の縮小を決意する。
山田は在庫を処分するため安売りのチラシを作り近所に撒いた。
すると、驚くべきことが起きた。
翌日、開店するや否やお客が殺到。在庫があっという間に売り切れたのだ。
『価格を安くすれば、客は自ら店にやってくる』
一枚のチラシが山田をメーカー系の地域店から安さで売る混売店へと目覚めさせる。
 そんな山田が大勝負に打って出る日がやって来た。
すぐ隣の栃木で急拡大する勢力が現れたのだ。
猛烈な激安を武器にしたコジマである。
90年代前半、「上州戦争」とまで言われたヤマダ対コジマの激しい戦い。
徹底的な安さで急激に勢力を拡大していたコジマ。
最大の武器はチラシの価格戦略。なんと家電が80円均一。
山田はこれに差別化戦略をとる。
コジマに無い徹底的なサービスを前面に出し、無料点検の巡回車まで走らせてアピールした。
しかし、そのサービスに客は全く見向きもしなかった…。
遂にヤマダ電機は創業以来の赤字へ転落。
山田は戦略の転換を余儀なくされる。
そして、とった作戦がコジマと同じ”激安チラシ”。
しかも露骨な価格比較を行った。
徹底的に安さをアピール。なんとコジマに対抗し家電が1円均一。
この価格比較のチラシ合戦は日増しにエスカレート。訴訟にまで発展する。
まさに血で血を洗う戦いであった。
 そして遂に勝負に勝った山田。
その立役者、チラシ製作部隊。
立ち入ることさえ許されないそのノウハウは今でもヤマダ電機の最高機密である。
毎週のチラシ製作に会長となった山田が今も関与し続ける。
激安のチラシが常にヤマダ電機の成長を支えているのである。
●『王者ヤマダ電機に激震 ”独禁法違反”の真相
7月10日。ヤマダ電機の高崎店オープンに先立って開かれた記者会見。
実は、この直前、ヤマダ電機は公正取引委員会から独占禁止法に違反するとして排除措置命令を受けた。
ヤマダ電機はメーカーに対する優位な立場を利用し、ヘルパー(家電メーカーが派遣した販売の応援スタッフ)の派遣を強要、売場の販売員として無償で働かせたと判断された。
空前の巨大企業となったが故の問題。
山田も襟を正すため社内にコンプライアンス委員会を立ち上げ改善に乗り出した。
急成長を遂げたヤマダ電機。
圧倒的な強さを持てば持つほどその社会的責任もより大きくなる。

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