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『カンブリア宮殿』 9月22日

カンブリア宮殿』 テレ東(月)22:00~
公式HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/index.html
出演者:村上龍、小池栄子、牧尾英二
◆カンブリアFile No.116 マキオ社長・牧尾英二
●『不況でも売れる!
鹿児島市から車で2時間、熊本との県境近くに位置する漁業の町・阿久根市。
人工は2万5000人。
駅前の商店街は日中でも人影が見当たらないシャッター通りだ。
町の山間部を抜ける国道を走る。
すると、小売の常識を覆した牧尾の店が姿を現す。
東京ドーム3.5個分という広大な敷地にそびえる「A-Zあくね」。
日本で初めて24時間営業を導入した大型店だ。
過疎地にも関わらず年間650万人もの客が押し寄せる。
店の広さは桁外れ(売り場面積1万7000㎡)。
多い日には1日4万人が訪れるというが、余りにも広すぎて客の多さを感じさせない。
客が集まる最大の理由は桁外れの安さ。
例えば250mlの缶ジュースは33円、地元で獲れた20cm以上ある天然のタイも494円、よそなら3万円近くする神棚が1万円を切っている。
この店では何から何まで毎日が激安なのだ。
買えば買うほど得した気分。客のほとんどがカート山盛りにまとめ買いをしていく。
消費不況で物が売れないなんてこの店では全く無縁の話だ。
商品の種類も桁外れ。国内最多の35万アイテム。
売れ筋商品はもちろん、普通の店なら絶対に置かない”死に筋”と呼ばれるほとんど売れない商品まで、ここにくれば何でもある。
1941年、鹿児島に生まれた牧尾は高校を卒業後、東京の自動車メーカーで設計の仕事に携わっていた。
しかし、牧尾が42歳の時、ある転機が訪れる。
弟が地元鹿児島で始めたホームセンター。
その店の経営が悪化し、牧尾に再建が託されたのだ。
給料を心配する牧尾に妻は言った。
「田舎だから15万円もあれば大丈夫」
ところが鹿児島に戻ってしばらく経った頃、妻が内緒で給料の前借を続けていたことが発覚したのだ。
「ごめんなさい。15万円あれば大丈夫だと思っていたけど、この辺りの店は東京より値段が高いのよ。」
驚いた牧尾は出向いた地元のスーパーの棚を見て愕然とする。
”品数が少ない上に東京より明らかに高い…”
棚に並んでいた商品はほとんどが定価だった。
大手スーパーも進出して来ない田舎町。競争もなく地元の店はあぐらをかいていた。
その日から牧尾は徹底的に小売業界を研究した。
”客が本当に求めている店とは何なのか”
牧尾は全国各地の大型スーパーからコンビニまでその一つ一つに足を運んだ。
その結果たどり着いた牧尾の理想の店、それこそ、過疎地にありながら24時間年中無休、品揃え豊富な激安店だった。
そして1997年、牧尾は「A-Zあくね」をオープン。
「絶対に失敗する」そんな周囲の予想を覆し、店には長蛇の列。
牧尾の読みは正しかった。
田舎の店に客を集める、牧尾はあらゆる手を使い、サービスを考えだした。
オープン4年目に始めた、交通の手段のない人のための買い物バス。
2日前までに予約すれば料金は片道100円、さらにバスから自宅へ荷物を運ぶサービスまで付けてみせた。
そしてもう一つ。
60歳以上の客が「A-Z」の証明書を提示すれば、消費税分の5%が返金されるというサービス。
店は年間1億円以上の支出。しかし牧尾は10年近く続けているという。
牧尾が作り上げた理想の店は客に支持され今や年商195億円を叩き出す。
毎月一度行われる「A-Z」の販売会議。
「私たちのきょうの仕事はたった1人でよい、この店に来てよかったと満足して下さるお客さまをつくることです」
接客目標が唱和された後、担当者から売場の報告が始まる。
報告は売り上げではなく客の反応ばかり。
客は第一、利益は二番の「利益第二主義」。
それが牧尾イズムなのだ。
●『車を年3500台売る巨大スーパー
「A-Z」の最大ヒット商品、それは店頭に並ぶ車。
年間20億円も売り上げるという。
地方では1人1台といわれる車。
生活の足として6年前から売り出した。
自動車の国内販売が冷え込む中、軽自動車を中心になんと年間3500台売れるという。
店内に並ぶ車は中古車。
しかし状態は新車同様、走行距離もほとんどない。
なのに新車と比べて格段に安い金額で買える。
例えば新車なら130万円前後する車。これが「A-Z」では走行距離わずか20キロで97万円で買えるのだ。しかも諸経費込み。
さらにオプションであるドアバイザー、フロアマット、泥よけを無料サービス。
しかもガソリン代高騰の折に満タンにして納車してくれる。
安く売るために徹底的にコストを下げる。
スタッフはたったの8名。同じ規模の販売店の半数以下。
少人数で接客から車の手入れまで全てこなす。
車を運ぶのも業者には任せないという。
●『社員・パートに差別なし 年6回ボーナス支給!?
「A-Z」ではオープン以来、社長自らが現金でボーナスを手渡している。
ただ渡すだけでなく、同時にコミュニケーションも図る。
しかもパートからアルバイトまで店で働く全員が対象。
売り上げが良かった年には、年間6回支給したこともあるという。
このコミュニケーションで牧尾イズムが一人一人に伝わっていくのだ。

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