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『カンブリア宮殿』 9月7日

カンブリア宮殿』 テレビ東京(月)22:00~
公式HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
出演者:村上龍、小池栄子、西川通子
◆カンブリアFile No.164 再春館製薬所会長 西川通子
●『年商262億円 ”TV通販の母”
テレビCMでお馴染みのドモホルンリンクル
店には売っていない。
CMを見て電話をかけると無料サンプルが送られてくる。
試して気に入れば買うという通信販売だけ。
ドモホルンリンクルはメイクアップ用ではなく、肌の質を保つことを目的とした基礎化粧品。
1セットで5万7750円。
日本で初めてコラーゲンを配合。
アンチエイジングのさきがけでもある。
愛好者は24万人。
再春館の売り上げの9割を占め、30年以上売れ続けるロングセラー商品だ。
九州・熊本。
中心部から20分ほど車を走らせると緑の丘が姿を表す。
東京ドーム6個分に相当する広大な敷地。

ここがドモホルンリンクルを製造販売する再春館製薬所の本社だ。
スロープを下ってオフィスに下りてみると巨大な空間が広がる。
幅60m、奥行き70m。全く垣根がない。まるで空港のロビーのようだ。

このワンフロアーに会社のほぼ全てが詰まっている。
ワンフロア主義は徹底していて、社長室も役員室も無い。
西川の経営哲学を象徴するワンフロアーの本社。
その巨大オフィスの半分を占めるテレマーケティング部。

お客からのサンプルの請求や商品の注文を受けるコールセンターだ。
1日7000件の電話に500人のオペレーターが対応している。
店を一つも持たずに262億円を売り上げる再春館の心臓部だ。
商品もここから直接発送。
注文を受けた翌日にはお客のもとに届く。
ここ熊本だけで製造から販売まで一貫して行えるシステムになっている。
本社の玄関前に一台の車が到着した。
下りてきたのはエプロン姿の西川だ。
会社に来るときは決まってこのスタイル。
向かった先は社員食堂。
実は社員食堂の食事を最終確認するのが西川の日課だ。
全てのメニューをチェックする。
自分が食べて納得したものしか社員に出さない。
それが西川のポリシーだ。

熊本の肝っ玉かあちゃん西川。
そのリーダーシップが今日の再春館を築いた。
経営者西川の出発点は警備会社の社長。
優秀な経営者として熊本では知られた存在だった。
そんな西川にある日、会社再建の話が持ちかけられる。
それが再春館製薬所だった。
扱っているのは地味な漢方薬やビタミン剤など。
だがその中のある商品が西川の目にとまった。
それがドモホルンリンクル。
当時まだ珍しかった肌の質を保つための化粧品だ。
折りしも女性の社会進出の時代。
化粧品各社は美を追求する新製品で販売合戦を繰り広げていた。
だが西川は違った。
西川は数十種類あった商品を整理し、ドモホルンリンクル一本に絞った。
そして通信販売の方法もハガキから電話に変えた。
それは注文を受けるだけでなく顧客情報の管理まで行うテレマーケティングというシステムだった。
さらに85年にはテレビCMを全国に放送。
CMの効果は絶大。コールセンターに注文の電話が殺到した。
西川は売り上げ5000万円の零細企業をわずか7年で100億円企業に育て上げた。
しかし落とし穴が待っていた…。


●『”返品の山”でピンチ 会社を救った決断
ここは本社の受付。その一角に、ある物が展示されている。

実はこれ、1993年にお客から送られてきた返品の山だ。
その額、実に7000万円。
当時の売り方は、客がいらないと断っても「あれば使うものですから先に買っておきましょう」
そんな押し売りまがいの販売だった。
”このままではだめだ”
ある日、西川は役員を集め、こう宣言した。
『今後お客さまに電話をかけることを一切禁止します』
役員は猛反対した。
「電話をかけないでどうやって商品を売るんですか」
「そんなことをしたら我が社は潰れますよ」
しかし西川の決意は堅かった。
『今のやり方では我が社に将来はありません!』
西川は電話のオペレーター全員の再教育に乗り出した。
商品知識を叩き込み、お客とのやりとりを徹底的に鍛え直した。
3ヶ月に及ぶ徹底した訓練の後、電話を再開すると返品はほとんどゼロに。
そして一旦は落ち込んだ売り上げも回復。
2003年度にはついに200億円を超えた。
5年前に会長に退いて以来、西川がこのフロアーに来るのは週に一度。
倒産も覚悟した93年の改革から16年。
あの危機が再春館製薬の今を作ったと西川は考えている。


●『社員を満足させて客の満足度を高めろ
◆社員を満足させる経営「働くママをバックアップ
本社の玄関前に洒落た木造の建物がある。
朝の出勤時間になると子供を連れた社員たちが皆その建物に入っていく。
実はここ、従業員専用の保育園。

勤務シフトに合わせて夜10時まで預かってくれる。
子供を預けたら目の前の職場へ。
現在30人のママさん社員がこの保育園に子供を預けながら働いている。
西川は子育てしながらでも安心して働ける環境を整えていた。
◆社員を満足させる経営「オシャレに働く
再春館には20人の女性幹部がいる。
その幹部クラスの社員が着ているのはイッセーミヤケの服。
1着10万円以上もするという憧れのブランドが制服になっている。

◆社員を満足させる経営「人柄で給料アップ
再春館は人事評価もユニーク。
これは再春館人度達成シート。
お客への気配りや同僚後輩からの信頼、こうした人間性も給料に反映されるという。

◆社員を満足させる経営「トップが社員に奉仕
再春館製薬所本社。
まるでゴルフ場のような広大な敷地。
花壇の手入れをする女性たちの中に西川の姿があった。
一緒に作業するのは会長自ら率いる特別サービス部隊だ。
売り上げには貢献しないが会社には欠かせない裏方さん。
こうした部門を会長直属にして、社員が働きやすい環境を作っている。

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