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『 カンブリア宮殿 』 6月30日

カンブリア宮殿』 テレ東(月)22:00~
公式HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
出演者:村上龍、小池栄子、中井政嗣
●カンブリアFile No.104 千房社長・中井政嗣
1945年、中井は奈良県の貧しい農家に生まれた。7人兄弟の5番目。
中卒で丁稚奉公に出され、学歴にコンプレックスを抱いていた。
それを撥ね返そうと義理の兄のレストランでコックの修行に励んでいたある日、外出中の兄から電話が掛かってきた。
「政嗣、安い物件見つけたんや。おまえ独立せえへんか?」
「それ何の店ですの?」
「お好み焼き屋や」
中井は即座に断った。
「嫌や、かっこ悪い」
当時、お好み焼き屋といえば、民家のような店でオバちゃんが近所の人を相手に細々とやっているもの。
そんなイメージだった。
コックの修行をしてきた中井にはとてもまともな料理には思えない。
そこに兄の雷が落ちた。
「何を思いあがっとる!お好み焼きも立派な料理や!お好み焼き屋もできんヤツがレストランの経営ができるか!」
しぶしぶ始めたお好み焼き屋だが次第に繁盛。
中井の思いも変わった。
「日本一のお好み焼き屋になるんや」
1973年、28歳の時、大阪有数の繁華街・千日前で勝負をかけた。
目指すは日本一のお好み焼き屋。
それには大勢のスタッフが必要だ。
しかし、優秀な人材は一般企業に就職してしまい、お好み焼き屋に来てくれる者は皆無だった。
ネコの手も借りたい。ネコ以上の人間なら誰でも採用。
学歴、身元は一切問わなかった。
事実、応募してくるのは不良や暴走族といった問題のある若者ばかりだった。
ある日、千房に一人の若者がやって来た。
その若者は18歳。
母親に連れられてアルバイトの面接に来たのだが…。
社長の中井が聞いても若者は黙ってそっぽを向いたまま。
目を合わそうともしなかった。
そんな彼を中井はアルバイトとして迎えた。
雇ってはみたものの仕事はしないし態度も悪い。
とうとう客から文句が出た。
「大将あんなヤツ辞めさせてしまえ」
しかし、中井はその若者を毎日家に呼んで食事をさせ風呂に入らせ家族のように接した。
そうするうちにある日、若者の態度に変化が生まれた。
大阪高槻市にある千房のフランチャイズ店。
地元の人たちで繁盛するこの店のオーナーが、あの若者、西山政喜だ。
西山は千房の店長を勤め上げた後、独立してこの店のオーナーとなっていた。
中井をてこずらせた西山が従業員を立派に育てていた。
中井に育てられた若者たちが一人前となって千房の成長を支えてきたのだ。
今や千房は59店舗を展開。
年間来客数は300万人。
大阪の味お好み焼きを日本中に広めている。

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